養育里親と愛着障害の里子

養育里親をしています
里親登録をしてから、今年で15年経ちました

色々な、里子ちゃんに出会いました
この15年で、約20名を超えたでしょうか…

我が家は、実子の年齢が小さかったので
預かる里子ちゃんの年齢も、できるだけ小さい子を
児童相談所にお願いしてきました

生後6日目、生まれた産婦人科からまっすぐに我が家にやってくる
新生児から、だいたい3歳前後の乳幼児ばかり
あずかってきました


養育里親をしていて、一番難しいと思うことは
里子ちゃんたちの、養育歴によって、愛着障害があること

もちろん来る子みんなが、愛着障害なのではないですが
年齢が上がってからくる子で、特に実の親元から来る子は
接し方にも、難しいものがあります

生後6日の新生児や、生後数か月の子は、まだまだ大丈夫なのですが
1歳半を過ぎたころに来る子、あるいは2歳を過ぎてからくる子は
かかわりが、だんだんと難しくなっていきます

それでも、経験上2歳前だと、まだ関係を作り直すのには
間に合う!!、という手ごたえがありますが
なぜか、2歳を超えてから来る里子ちゃんには、難しさを覚えます

よく、子供の魂100までも、と、言う言葉を聞きますが
3歳までの養育歴が、その子供のにとって、どれだけその後の人生に
影響を与えているか…というのは、本当に感じてしまうところがあります


★養育経験の事例として★

1歳7か月の女の子
1歳4か月の時に、実親が虐待をしてしまいそうだと、地域の訪問保健師
相談があった
保健師がいる前でも、子供に対して、手を挙げてしまう場面が見られ
児童相談所に報告。保護され、養護施設に入所
その後、家庭的なかかわりと、母親との関係を作り直すための環境が必要との
判断で、里親家庭に委託変更になる

この子が、我が家に来る前に、非常に大人に対しての警戒心が強く
なつかない、ヒステリック、情緒不安定が見られたため
家庭引き取りの前に、1か月間の施設通いで慣らし保育を行った

この1か月は、全くなつかず警戒心丸出しで、傍に行っても
触らせてもくれない状態
最後の2回くらいで、ようやく少し遊びが成り立つようになった

引き取りをして、1週間、寝ている間以外は、泣きっぱなし
おんぶをすると落ち着く、眠るときは抱っこしてしがみついて
泣きながら寝る
体に、いつも力が入っていて緊張しているのがよくわかる


その後、1か月ほどで、落ち着いて生活ができるようになったが
落ち着いて、2週間ほどで、今度は赤ちゃん返りがはじまった

母親に対して、どう甘えていいかわからないらしい
どう、自分の気持ちを表現いていいか混乱しているのが、よくわかる

私の前に来て、吠えるようにわめきながら泣き叫ぶ
顔を見ながら、わざと食事の食器をひっくり返してみる
おむつ替えのズボンを、途中まではいて、あとはいやだと
泣きわめいて、履くのに抵抗する等々…


どこが、泣くスイッチなのか、こちらもわからず
少々イライラするが、程よく距離感をもって、冷静に観察していた

泣きわめいても、私が怒らない、動じない、見てくれないなどが
わかると、ぴたっと泣き止んで、ケロッとして遊び始める

そんな、切り替えも、見ていると甘え方がわからず、自分の気持ちを
自分一人で処理している感じがあり、切なく思える


甘える、という表現と、受け入れてもらえるという感覚が
つかめないのだ

泣き叫び始めた時に、抱きしめて、大丈夫だよ^^と、
よしよしをしてあげることにした

それを続けているうちに、少しずつ、赤ちゃん返りが収まりつつある

実の母親から、甘やかされる、抱きしめられる、スキンシップをしてもらう
そんな当たり前のことをしてもらえなかった子

どうやって、その感覚を取り戻すかが、今の課題である